2008年11月24日

ティンホイッスルの吹き方、装飾音 2

ティンホイッスルは映画『タイタニック』のテーマを吹いた笛です。指穴が6つしかないので簡単にドレミを鳴らせます。装飾音を入れるとぐっとティンホイッスルらしく聞こえます。スライドはぜひマスターしたい装飾音です。

要はゆっくり指穴をあけていく

スライドはティンホイッスルを吹いているときに「ひょえー」と音をずり上げる装飾音のことです。これが入れるととたんにティンホイッスルらしく聞こえます。スライドするには指穴を少しずつあけていきます。指穴があけばあくほど、音も高くなっていきます。

  1. まず一つ下の指穴までよけいにふさぎます。
  2. その指穴を押さえている指をまっすぐ伸ばします。
  3. 伸ばした指をシーソーのように、指先が上がるように倒します。
  4. 指を倒すにつれて指穴があき、音が高くなっていきます。
  5. 以上の動作をすいっ、すいっとすばやく行います。

あるいは端から見ていると、指の腹についた汚れをホイッスルの指穴にこすりつけ落としているような仕草にも見えます。

それと息の強さも最初は少し弱めからはじめて、音が高くなるにつれて強く吹くといいようです。これもすうっ、すうっとすばやく。
» スライドとカットを入れながら吹いてみた

使いどころのルールがよく分からない

スライドをどこに入れればいいのか。メロディーを聞けばここだと分かるんですが、どうしてそこに?というと言葉で説明しにくいというか。

スライドの使いどころは強いて言えば…

  • 短い音が連続した後に音を長くのばしたら、そこにスライドをかける
  • ワンフレーズの最後を長くのばして終わるようなら、そこにスライドをかける

カットとスライドができればまずはOK

カットとスライドさえできるようになれば、とてもティンホイッスルが上手になったように聞こえます。あとは自分で試してみたり、好きなCDを繰りかえし聞いてマネしてください。ティンホイッスル用の楽譜もムリすれば手に入るでしょうが、楽譜には「ここにカットを入れる、スライドを入れる」など書いていません。特に最初のうちはCDを聞いて耳で覚えるのがいいです。ぜったいその方がいいです。

 

2008年11月14日

ティンホイッスルの吹き方、装飾音 1

ティンホイッスルは映画『タイタニック』のテーマを吹いた笛です。指穴が6つしかないので簡単にドレミを鳴らせます。装飾音を入れるとぐっとティンホイッスルらしく聞こえます。まずはカットから。

左手薬指で指穴を叩く

カットはティンホイッスルを吹いているときに「ひゃらっ」と入る装飾音のことです。あれは左手薬指を一瞬あけてふさぎます。「あけて」「ふさいで」ではなくて、できるだけ素速く、指で指穴を叩いてるような感じです。TVゲームのボタンのように「押す、押す、押すっ」てな感じです。

尚、いちばん高い2つの音については左薬指があいてしまって使えません。仕方ないから左手人差指で同じことをします。


» 左薬指(人差指)で指穴を叩く

同じ音を区切るのに使う

「ぼくのだいじなクラーリネット、パパからもらったクラーリネット」のように、同じ音が続くとき、ふつうはトトトトッと舌先で息を区切りますが、ティンホイッスルでは代わりにカットで音を区切ります。
» 同じ音をカットで区切る

メロディーが上がって下がる瞬間に入れる

ティンホイッスルを吹くとき、とうぜん高い音を吹いたり低い音を吹いたりします。それにつれてメロディーも上がったり下がったりします。そのメロディーがだんだん上がっていって…下がる瞬間。この下がる瞬間に装飾音を入れます。同じ感覚で、一つの音を長くのばした直後に…下がったら入れます。上がるようなら入れません。
» メロディーが上がっていって下がる瞬間をカット

とりあえずぜんぶカットする

最初のうちは、狙えるところはぜんぶカットを入れて吹くのがいいです。指が覚えてしまって気を抜くと思わずカットを入れてしまう。そのくらいになるといいです。

本当はぜんぶにカットを入れてしまうとゴテゴテしてしまって野暮ったいです。本当はカットを入れないところと半々くらいです。だからまず癖で入れてしまうほどカットを練習して、そこから逆に「ここは入れない方がすっきりしていいかも」と間引いていくといいです。

そのへんの感覚は気に入ったCDを何度も聞いて身につけるしかないと思います。

ロールは…できません

ティンホイッスルにはロールというカットの発展形のような装飾音があります。速いダンス曲を吹くとき「タタタ、タタタ」と三連符を刻むのに使そうです。ゆっくりした曲には使わないし、私はそんなに速く指が動かないので教えようもない。

そうですね。ちょっと大きな街ならどこかにアイリッシュパブがあるのではありませんか。そこの常連になって張りこんでいれば、いつかホイッスルの上手な人をつかまえることができるでしょう。その人に習ってください。
福岡市内なら薬院の『The Celts』でアイリッシュ・ミュージックを教えています。
» Irish Cafe Pub & ケルト・アイルランドの輸入雑貨『The Celts』

 

2008年11月11日

ティンホイッスルの吹き方、中休み 3

ティンホイッスルは映画『タイタニック』のテーマを吹いた笛です。指穴が6つしかないので簡単にドレミを鳴らせます。ティンホイッスルを吹くときの注意をいくつか。

吹口にたまった水滴を吹き飛ばす

ティンホイッスルを吹いていると、息に含まれている水分がホイッスルに冷やされて結露します。ひどくなると吹口が水滴で詰まったようになり、音が出なくなったり高音がひずんだりしてきます。この現象はリコーダーやオカリナでも起こりますが、ティンホイッスルは吹口が小さいのですぐに詰まります。一曲演奏するときは念のため、事前に吹口の水滴を吹き飛ばしておくといいです。

吹口が水滴で詰まったら、息を強く吹いて水滴を吹き飛ばしてください。ホイッスルをくわえて「プシッブシッ!」とわざと咳をします。一説によると咳の風速は55m/秒、くしゃみの風速は88m/秒。水滴を吹き飛ばすならくしゃみの方がよいのですが、わざとくしゃみをするのはむつかしい。このときすごい音がしますから、歌口を握りしめて音が出ないようにするといいです。

右手薬指で落とさないように支える

ティンホイッスルの6つの指穴をぜんぶあけてしまうと手放しになって、ホイッスルが転がり落ちてしまいます。そりゃそうです。

ホイッスルを落としてしまわないようにみんなどうしているかというと、左手の指穴をあけるときは右手薬指でいちばん下の穴を押さえるようにしています。本当はこんなことをすると微妙に音程が下がってしまうのですが…「気にしない」という約束みたいです。

 

ティンホイッスルの吹き方、中休み 2

ティンホイッスルは映画『タイタニック』のテーマを吹いた笛です。指穴が6つしかないので簡単にドレミを鳴らせます。ティンホイッスルは移動ドの楽器ですから、楽譜の曲を覚えるときには注意が必要です。

楽譜どおりに吹けることはほとんどない

楽譜に記された曲を覚えるときに気を付けることは、ティンホイッスルは移動ドの楽器だということです。半音を出すのが苦手なので、たとえばDキーのホイッスルならニ長調かト長調、ホ短調かイ短調が吹きやすくて、他の調はあまり実用的ではありません。では他の調の曲を吹くときは?運指はそのままその調に合った高さのホイッスルに取り替えて演奏します。

そんなですから楽譜に記されたとおりに正しい音の高さで演奏したいのであれば、いろいろな高さのホイッスルを用意する必要があります。(C、D、Eキーのホイッスルが揃っていればなんとかなるかなと思います。)

逆にお手持ちのホイッスルが一本しかないのであれば、そのホイッスルの得意な調に曲を移調して演奏する必要があります。つまりいちばん吹きやすくなるように、ぜんたいの音を上下にずらして演奏します。それには楽譜を移動ドで読めばよい。過去の記事で詳しく説明していますのでそちらを参考にしてください。
» きみにはきっと移動ドがにあう(過去の記事の抜粋)

 

ティンホイッスルの吹き方、中休み 1

ティンホイッスルは映画『タイタニック』のテーマを吹いた笛です。指穴が6つしかないので簡単にドレミを鳴らせます。ティンホイッスルで新しい曲を覚えるには、まずはくりかえし耳で聞いて覚えます。

とにかく繰りかえし聞く

新しい曲を覚えるとき、民族音楽ではくりかえし耳で聞いて覚えるのがふつうです。西洋でもクラシック以外の場面では楽譜を使わずに耳で覚えることをします。

受験勉強のとき「睡眠学習」に手を出した人はいますか。真剣でなくても何度も繰りかえし聞いていればそのうち覚えてしまう…というアレです。新しい曲を覚えるときも同じです。ときには真剣に聞くことも必要でしょうが、なによりも聞いた回数が勝負になります。

  1. 何度も聞く
  2. 聞きながら分かるところだけでもいっしょに歌う
  3. CDなしで最後まで歌えるようになる
  4. 自分の笛の高さに合わせて歌う
  5. 歌に合わせて笛の音を探していく…

便利な道具で効率よく

こういう作業にはガジェット―気の利いた玩具―があると便利です。ものすごく楽になります。

mp3プレイヤー
アップル社のipodが有名ですが他にもいろんなメーカーの製品が出回っています。四六時中、繰りかえし聞くのにこれに勝るアイテムはないでしょう。つか音楽をやるなら必須です、自分への投資だと思って今すぐ買いなさいっ。
尚、私はiriverのプレイヤーをずっと使っています。これは曲の短い区間を指定して繰りかえし聞くことができます。難解な箇所を重点的に聞いて覚えるのに便利なので。
音楽編集ソフト
パソコンソフトです。これもいろいろ出回っていて、CDの曲をゆっくり再生したり音の高さを変えたりできます。音の高さを笛の音に合わせ、半分の速度で再生した音楽ファイルをmp3プレイヤーに入れて繰りかえし聞くと、ほんとうに効率よく曲を覚えることができます。

音楽編集ソフトはフリーのよいものが出回っています。過去の記事をご覧ください。
» CDの音程を自分の笛にあわせる(過去の記事)

 

ティンホイッスルの吹き方、ダイジェスト 5

ティンホイッスルは映画『タイタニック』のテーマを吹いた笛です。指穴が6つしかないので簡単にドレミを鳴らせます。ティンホイッスルは2とおりの音階が使えます。これでたいていの曲は演奏できます。

音階その1

ティンホイッスルの指穴をぜんぶふさいだ、いちばん低い音をドの音とする音階です。

○…指穴をあける、●…指穴をふさぐ

» いちばん下からドレミの音階

Cキーのホイッスルならハ長調、Dキーのホイッスルならニ長調。分かりやすい音階ですが使用頻度は1/3くらい?でしょうか。ドより低い音を出せない、というのがけっこうネックになります。ドより低い音を使う曲は多いですよ。ゾウさんの歌も「ドーラソー ドーラソー」とドより低い音を使います。

音階その2

ティンホイッスルの指穴をぜんぶふさいだ、いちばん低い音をソの音とする音階です。

○…指穴をあける、●…指穴をふさぐ、白黒半分…指穴を少しだけあける

» いちばん下からソラシドの音階

Cキーのホイッスルならヘ長調、Dキーのホイッスルならト長調。ドより低い音はけっこう使われるので、こちらの音階の方がよく使われます。

ファの運指が2とおりあります。一長一短あるので両方使います。慣れないうちはどちらか一方が使えればいいと思います。指穴を少しだけあけるというのは、指をずらしたりひねったり、とにかくファの音に聞こえるように少しだけあければいいです。

  1. ①は音程が安定している。スライド技が使えない。
  2. ②は音程が不安定。スライド技が使える。

半音の出し方

ティンホイッスルで半音を出す方法は、上のファの音の出し方を参考にしてください。つまり指穴を一つとばしにふさいだり、半分だけふさいだりします。

ダイジェスト終了、おつかれさま

ティンホイッスルの吹き方を駆け足で説明してきました。ダイジェストとしてはこれで終わりです。これだけ知っていれば、小学校のリコーダーを吹く程度にはいろんな曲を吹いて遊べると思います。

ここから後は「カット」や「スライド」などティンホイッスルらしい演奏をするための技を説明します。連載の間隔も一週間とかそんなになります。

 

2008年11月07日

ティンホイッスルの吹き方、ダイジェスト 4

ティンホイッスルは映画『タイタニック』のテーマを吹いた笛です。指穴が6つしかないので簡単にドレミを鳴らせます。ティンホイッスルの指穴を下から順に開けていけばそのままドレミ…になります。オクターブ上の音は強く吹けば出るので、分かりやすい。

運指とタンギング

指穴をぜんぶふさいで、下から順に開けていけばそのままドレミファソラシになります。

○…指穴を開ける、●…指穴をふさぐ

オクターブ上の音は運指はそのまま強く吹きます。高い音ほど強く吹くので大きな音になります。街角や公園の雑踏の中で大道芸をするのにちょうどよい音量ですから、せまい部屋で吹くとうるさいです。ローホイッスルは低い落ちついた音なのでそれほどでもありませんけど。
» ティンホイッスルのドレミ

オクターブ上の高い音は「トゥートゥー」と、舌先で息を区切って少し勢いを付けてやると鳴りやすいかもしれません。

この舌先で息を区切ることを「タンギング」と言います。タンギングすると一つ一つの音の輪郭がかちっと鮮明になります。リコーダーやコンサートフルートではこの「タンギング」の習得が必須課題ですが、ティンホイッスルではあまり使いません。「タンギングするのは邪道だ」という演奏者もいるようです。

私は半々くらい使います。メロディーを区切ったりつないだりして吹くと表情が豊かになるので、つまり上手っぽく聞こえます。

 

ティンホイッスルの吹き方、ダイジェスト 3

ティンホイッスルは映画『タイタニック』のテーマを吹いた笛です。指穴が6つしかないので簡単にドレミを鳴らせます。ティンホイッスルの音に満足できなくてもあまりがっかりしないように。できるだけ練習したら後は装飾音でごまかします。

吹き方

ティンホイッスルを唇でくわえて、手加減しながらそっと吹けばふつうに鳴ります。「えーっこんな音?」と少しがっかりした人がいるかもしれません。ホイッスルはそのままでは正直、そんなにきれいな音ではありません。野性的なとか、野卑なとか、そんな形容の似合う音です。これに「カット」や「スライド」など独特の装飾音が加わると…とたんにCDで聴くようなあの美しい音になります。ヒースに咲く野生の花って感じの。

でも少しでもきれいな音が出るのに超したことはありませんから、とりあえず、音が安定する息の強さを覚えましょうか。
左手だけで上三つの指穴を押さえてホイッスルを吹きます。最初はそっと、次第に強く吹いていきます。息が強くなるにつれてホイッスルの音が次のように変化します。

  1. かぼそく途切れがちで不安定な音
  2. 安定してしっかりはっきりした音★
  3. シーっという雑音のまざったひずんだ音
  4. オクターブ高い音

この、安定してしっかりはっきりした音★が鳴る息の強さを覚えて、できるだけこの強さでホイッスルを吹くように心がけるとよいです。息の強さはいつもいっしょではなくて、低い音は弱めに吹きます。高い音ほど強く吹くと安定します。
» 音が安定する息の強さを探す

といっても「カット」と「スライド」を入れるとかなりごまかせるので、最初はそう神経質になる必要はないと思ってます。でも最後にはこのような地道な部分が決め手になってくるはずです。

音が安定するのは笛にもよります。
高価な楽器ほどすばらしいと言いきるのはあんまりですが、やっぱりどうしても金次第のところはあります…。

 

ティンホイッスルの吹き方、ダイジェスト 2

ティンホイッスルは映画『タイタニック』のテーマを吹いた笛です。指穴が6つしかないので簡単にドレミを鳴らせます。ティンホイッスルはふつうに縦笛ですから、リコーダーの要領で吹けばなんとかなります。

名称

”吹口”、”歌口”、”指穴”の三つだけ知っていれば吹くのに困らないと思います。

持ち方と構え方

姿勢は立っても座ってもいいですが、背筋をまっすぐにしてください。姿勢が悪いと息をすばやくたくさん吸いこむことができません。

  • ティンホイッスルの吹口に近い三つの指穴を左手の人差指・中指・薬指で押さえます。
  • 残りの三つの指穴を右手の人差指・中指・薬指で押さえます。

指穴は、指の腹―爪の裏側のぷっくりした指紋のあるところ―で押さえます。サイズの大きなローホイッスルはそれでは押さえきれないので、指の関節と間接の間で押さえます。
» 大きな笛の指穴を押さえるには(過去の記事)

ホイッスルを両手でもって、吹口を唇でくわえます。歯でくわえると吹口がガジガジになるのでだめです。(ガジガジになりました…。)

ホイッスルをまっすぐ掲げると空気の流れもいちばんまっすぐになるはずですが、それだと演奏がしんどいので少しだけホイッスルの先を下げます。あんまり下げすぎると、空気の流れが唇と吹口のところで折れてシューという雑音がひどくなったり、音が小さくなったりしますので、ほどほどです。ホイッスルはまっすぐ―顔にたいして垂直に―掲げてください。これが空気のながれがいちばんまっすぐになります。ホイッスルの先を下げるように構えると、空気の流れが唇と吹口のところで折れます。低い音のときは気になりませんが、高いオクターブで音がひずみます。(2008/11/9修正)

このへんは小学校で習ったリコーダーと同じ要領です。

 

ティンホイッスルの吹き方、ダイジェスト 1

ティンホイッスルはアイルランドの縦笛です。映画『タイタニック』のテーマを吹いて有名になりました。指穴が6つしかないので簡単にドレミを鳴らせます。

「ティンホイッスルの吹き方を連載開始します」と宣言してほとんど一ヶ月たちました、ごめんなさい。最低限の説明を駆け足で連載します。まずはティンホイッスルの簡単な歴史から。このくらい知っていれば、ステージでホイッスルを紹介するときのネタとして使えるでしょう。

歴史

ティンホイッスルは19世紀初頭の英国で、農場労働者であったロバート・クラークが食い扶持を稼ぐためにブリキの笛を作り、売り歩いたのが始まりです。これをアイルランドから来ていた季節労働者が自国に持ち帰り、いつのまにか英国よりもむしろアイルランドで好んで演奏されるようになりました。

最初のティンホイッスルはその名のとおり、ブリキの板を丸めて作っていました。吹口が鉛(有害!)でできたものもあったそうです。現代では胴体に真鍮、ニッケル、アルミ、ポリマー樹脂を使い、吹口に木やABS樹脂を使ったものが多く量産されています。総金属製のりっぱなホイッスルもあります。

ティンホイッスルはもともと甲高い音の小さな笛ですが、サイズの大きな低い音のホイッスルも生産されるようになりました。演奏方法はまったくティンホイッスルなのですが、”ローホイッスル”と呼び分けています。
» ローホイッスルを吹いてみた

» ティンホイッスルについて(Wikipedia)

 

ティンホイッスルの吹き方、はじめに

これからティンホイッスルの吹き方を連載します。
それに先がけて連載の目標というか、到達点をはっきりさせておきましょう。少なくともこの連載で説明するとおりに練習したとしても、一流にはなれないと思います。教える私が一流ではありませんし、それどころか私はティンホイッスルをきちんと調べはじめてまだ一ヶ月ちょっとだったりします。

そこそこ上手っぽく吹けるように

「手っ取り早く、そこそこ上手っぽく吹けるようになる」
これがこの連載の目標です。

「そこそこ上手っぽく」というのはずいぶんぼんやりした言い方ですが。
それはたとえば、ティンホイッスルを吹いていて「お、今のいい感じ?」とこっそり自惚れたり、「今度のお祭りのステージで一曲披露していただけませんか」と町内会から頼まれたりする。そんなレベルです。あるいは街のストリートで大道芸をしていて、気前のいい酔っぱらいから千円札をはずんでもらうのも、実はこの程度です。この程度を目指すのであればそんなに正式な訓練は必要ないはずだと、と私は目算しています。ティンホイッスルらしく聞かせるいくつかのコツを覚えて、必要なだけ指が動くようになればOKなはずだと考えています。それなら、大したスランプに当たることもなく到達できるでしょう。

逆に非常に音楽感性の高い方や一流になることを志している方には、この連載はかえって害になるはずです。そのような方は、なんとしてでも理想の師匠を探しだして教えを請うべきです。

具体的にはこのレベル

私がディクソンのティンホイッスルを手に入れたのが2008年8月1日で、これはちょうど一ヶ月後の演奏です。
» ティンホイッスルで『Inisheer』を吹いてみた

一ヶ月で身に付く程度の知識と練習★1 でこの演奏ができるようになるなら、申し分ないと思います。どうでしょう。私はそういうことを教えるつもりです。実際、このくらい吹けると吹いていて楽しいです。

★1 私は他の笛でずいぶん遊んでいます。そんなですからまったく笛を吹いたことのない人が始めた場合、どうしても数ヶ月かかると思います…

参考資料

私はティンホイッスルを調べるにあたって、Tinorksを参考にしました。ティンホイッスルを演奏しているのは世界楽器てみる屋のお客さんで川原雫さん。やさしい音色としなやかな弾力を感じさせるスライド―音をずりあげる技―がいい感じです。

てみる屋でCDを売っています。ぜひ聴いてみてください。
» CDの試聴はこちら